土地と建築
建物の後退距離(セットバック):土地を買う前・建てる前に確認すべきこと
隣地、道路、水域それぞれからの距離の違いを理解し、開口部に関する2〜3mの基準を適切なケースに当てはめるための例も紹介します。

同じ幅の土地でも、建物を配置できる位置は同じとは限りません。道路の位置、水路、隣の建物、建てたい建物の種類によって、使える面積が変わるためです。一般に「土地のセットバック(後退距離)」と言われますが、まずは「建物のどの部分から、どのラインまでを測っているのか」をはっきり確認するところから始めましょう。
敷地境界、道路、水域で異なる適用基準
省令第55号は、公道の近くの建物のライン、公共の水域の近くの建物のライン、敷地境界の近くの壁やバルコニーについて、それぞれ別の規定を設けています。そのため、家の脇の塀までの距離だけを見るのではなく、区画の各辺を確認する必要があります。
土地の前面道路は、その位置づけと道路用地の境界の両方を確認します。現地で見える塀は、書類上の境界や測量の結果と照らし合わせましょう。境界がはっきりしない場合、目に見えるものを基準に測ると、建物の配置がずれるおそれがあります。
よくある例:開口部のある壁やバルコニーがある場合
省令第55号の第50条は、窓、ドア、換気口、採光用の開口、またはバルコニーのある壁について、建物の高さに応じて敷地境界線からの距離を定めています。次の表はその例です。
| 建物の高さ | 敷地境界線から壁またはバルコニーまでの距離 |
|---|---|
| 9m以下 | 2m以上 |
| 9mを超え23m未満 | 3m以上 |
開口部のない壁や隣人の同意があっても、条件の確認は必要
上の表は、すべての種類の建物にこの基準だけが当てはまるという意味ではありません。壁が上記の距離よりも境界に近い場合や、境界ぎりぎりに建てる場合には、開口部のない壁、高さ、屋上、そして法律で定められた場合の同意書に関する追加条件があります。建物の配置方法を決める前に、設計者に該当する条項の全体を確認してもらいましょう。
このほか、地方条例、都市計画、その建物に固有の関連規定も確認する必要があります。隣人の同意書は、すべての規定の確認や建築許可の申請に代わる書類ではありません。
土地購入前の、設計者に見せる情報の準備
購入を決める前に、建築家やエンジニアに概略の配置計画を作ってもらいましょう。自分の希望が区画の形に合うかどうかが分かります。たとえば、2階建ての家、車2台分の駐車場、庭がほしいのに、区画が狭かったり、何辺にもわたって空けなければならないラインがあったりする場合です。
- 権利証書、区画の図面、各辺の寸法、確認済みの境界情報
- 区画周辺の道路、出入口、運河や水路の写真と情報
- 建物の種類、階数、高さ、実際に行う活動(用途)
- 窓、バルコニー、軒の位置と、調べられる範囲の隣接建物
都市計画の確認と、地元の担当部署への問い合わせ
土地利用に関する情報は、公共事業・都市農村計画局のサービスから調べ始めることができます。オンラインで情報を確認する方法と、確認書の交付を申請する方法の両方があります。その後、区画の情報と概略図面を持って、その地域を管轄する区役所、テーサバーン(เทศบาล)、またはタンボン行政機構(อบต.)の土木担当部署に問い合わせます。
購入前の目標は、「たぶん建てられるだろう」と推測することではありません。何をさらに確認すべきか、そして、住宅の設計や自分のコストに影響しうる制約は何かを把握することです。

